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日本から、バンコクの赤服騒動をどう捉えればよいのか

タイのブログ-タイ情報とコラム

3月14日に赤服がバンコクに集結してから、
2か月が過ぎた。
反政府デモと称する、この赤服を着た集団は、
公道やデパートの敷地を占拠して、寝泊りして、
2か月も、居座り続けている。
東京でいえば銀座4丁目、三越前の交差点から
マリオンまでの公道を占拠して、ステージをつくり、
武器を所持して騒いでいる
のと同じこと。
バンコク都民に、多大な迷惑を掛けていることは
間違いなく、
日本なら、道路交通法違反、銃刀法違反などで、
すぐに逮捕、となっていたはず。

しかし、バンコクの何でもできる自由な雰囲気と、
人々を重んじる、タイの進みすぎた民主主義?
が、
彼らを都心の真ん中に2か月も放置してしまった。

2か月辛抱して、ようやく、アピシット首相は、
「タイは法治国家である」という立場を貫くために、
現在の強制排除に踏み切ったわけです。

問題になるのは6千人といわれる赤服集団の中に、
銃や機関銃・爆弾などで武装した者が500人程度
混ざっている
こと。
当初、軍は赤服鎮圧のために放水車や催涙ガスを
用いていたわけですが、そんな方法では武装集団を
鎮圧できないし、軍の兵士が死傷する。
だから、赤服の武装集団が実弾で向かってくる限り、
今回は、軍の実弾使用が許可されたわけです。

しかし、なお、赤服集団の強制排除は難攻してます。
赤服の武装集団は女、子ども、一般市民を盾にして
銃撃を仕掛けてくるので、軍は武装集団だけを選び、
排除することは難しいようです。
海外メディアに反政府デモのお墨付きを貰っている
赤服集団ですけれど、バンコク都民の目からしたら、
武装したテロ集団にしか映りません。

日本を含む海外メディアが過激な映像を求めるので、
赤服集団は、タイヤを燃やして戦場のような雰囲気を
演出したり、デモ隊員に国旗を持たせたりと、広報活動
が巧みです。
thaiblog(BBC NEWS)
彼らとタクシン元首相は、海外メディアを利用して、
タイ、現政権を揺さ振ろうとしています。
自由と民主主義を求める戦いと称して。

タイに住む人なら、誰でも、
政治家、政治団体の、金と権力の抗争
とわかっているのに、不思議なことです。

もうひとつの不思議なことは、女、子どもを含む赤服の
非戦闘員が、占拠地を立ち去らないこと。
IDカードを集団幹部に取り上げられてたり、デモ日当を
前払いで貰っているかもしれませんが、生死を掛けて、
彼らが留まる理由は見当たりません。
赤服の検問で、占拠地から出してもらえないのかも・・・
勿論、これは、憶測ですが・・・

長期にわたる政府と赤服幹部の話し合いを見てきた
私たちは、赤服との話し合いは無駄と思い知らされた
ので、強制排除が最後の手段と、皆、納得しています。

赤服とはどんな集団なのかは、
バンコク竹亭日記さんのブログが、巧く言い当ててます。
(以下、「バンコク竹亭日記」からの引用)
政府と赤服デモ隊を見ていると、まるで時に体罰を
与えてでも子供のしつけができない親と、優しいだけ
で弱気な親につけこんで際限なく駄々を繰り返すバカ
息子のようです。

今回の赤服強制排除の成功は、
タイに住む私たち、皆が望んでいることです。
一般市民の死傷者を、なるべく出さずに。

海外メディアの方には、衝撃映像の報道ではなく、
バンコク都民の視点から、報道することを願います。

タイは、自由な、民主主義の国です。
誰でも、(頭、教育があれば)
成功したり、金持ちになるチャンスがあります。

これからのタイの社会問題になるのは、
教育の格差
学歴至上主義の階級社会
地方と都市部の所得の格差

などでしょうが、
この問題の解決には教育制度の改革を中心に、
10年、20年越しの政策が必要になります。

まずは、
国王を父とした、信仰心が深い仏教徒 という、
タイの人々の美徳を大事にして貰いたいもの。

経済の高度成長で、物が容易に手に入るように
なり、消費が盛んになってきたタイの人々ですが、
金、金、金、タクシン、に走らず、
田舎に行くと電気もなかった10年前のように、
素朴に、賢く、生きてもらいたいと思います。
欧米のように、日本のようになることがよい社会
とは言えません。
タイは、タイにとってよい社会をつくるために、
タイの人々が試行錯誤する時期を迎えています。

日本の皆さんは、この数年にわたるタイの政治の
混乱を理解することは難しいでしょうが、マスコミ
から流される衝撃映像や欧米寄りの演出がある
報道だけを頼りにせずに、
政府 vs 赤服一部の過激派テロリスト として、
事態の収拾を見守ってもらいたいと思います。

外務省 海外安全ホームページによると、
タイの首都バンコクについての危険情報は、
「渡航の是非を検討してください」になりました。
タイに対する渡航情報(2010/04/23)
(外務省 海外安全ホームページ)

なお、バンコク都外にある、
スワンナプーム国際空港は危険はありません。
バンコク(スワンナプーム国際空港)乗継でプーケット、
サムイ島に来られる方は、乗継や空港ホテルでの宿泊
は平常通り、問題ありませんので、ご安心ください。
thaiblog