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バー経営の話=タイで起業編(2)

タイのブログ-タイ情報とコラム

タイで起業編(2)

-ピピ島のビジネス

会社を設立し、ペナンでビジネス・ビザを取ると、
僕は ピピ島 へと飛んだ。

ピピ島は、旅行者の目から見れば、憧れの島。
トンサイ湾のビーチから泳ぐと、美しいサンゴ礁
の海にさまざまな魚の群れ。

海に突き出した岩を背景に、エメラルド・グリーン
の海。誰もが夢に描く楽園のような島。
車もバイクもなく、人力の台車が通りを往来する。
thaiblogトンサイの街は歩いてすぐに回れるサイズなのに、
いつも旅行者で溢れていた。

プーケットやクラビからの船が、朝夕に港に着くが、
夕方の船で来ると、民宿の倉庫のような狭い部屋
でも空きがないこともある。

僕は、港から荷物を引きずって、ひたすら歩いて、
ビューポイントに登る階段付近を常宿にしていた。

バーやレストランを開業した場合、

この島なら、お客はたくさんいる。

この楽園の島での開業を、僕は計画していた。
thaiblogこの当時、ピピ島は「ザ・ビーチ」のロケ地にもなって、
その話題で、沸いていましたね。

だが、下見・取材しているうちに、多くのデメリット
を発見したのも事実。

旅行者相手以外の店がないので、物資がない。

冷蔵庫1つ買っても、プーケットから重量相当の
高い船代を払って港に運び、港からは人力車を
雇うことになる。
この島に大きなTVや家具・電気製品のない理由
が、これだ。

それと、驚くべき公共料金。

電気代はバンコクの15倍、

水道代はバンコクの20倍、

と、その当時は言われていた。

僕のバンコクのコンドの電気代が7B/unitで、
月々に4000B。バンコクの民家なら2000B
を少し越える程度。

この生活をそのままピピ島に持ち込んだら、
30000Bの電気代。あり得ないが、これ事実。

だから、高級ホテル以外、エアコンが無かった。
仲の良い食堂のおばちゃんが、白人用にと思って、
くるくる回るロースト・チキンのマシーンを買って、
1日じゅう回してたら、電気代が2万バーツかかった
と嘆いていた。

「トイレ使用、20バーツ」の貼り紙もよく目にした。
それだけ、水道代が高いということ。

僕の常宿でも、昼間は電気がオフ、夜12時頃から
翌朝までは、今度は水道がオフだ。

こちらが何も知らずに遊びに通っていた島で、
彼ら島民のビジネスは、とてもシリアスだった。

ピピ島の素顔

ピピ島の最大の難点はチャノート(ランド・タイトル)が
成熟していないこと。

売買できるまで所有年数の成熟した土地がないため、
皆が土地や物件を借りて商売することになる。

ピピ島の土地は、大部分が「3大地主」の所有で、この
地主たちが電気代・水道代も勝手に決められる。
なぜなら、彼らが電気・水道を開発してきたから。

電気も水道も公共ではないのだ。

家賃・テナント料を人々が何とか借りられる金額にして、
電気・水道でさらに儲ける「3大地主」。
さらに、彼ら地主は高利貸しをしていた。
この島で場所を借りて働くタイ人の中には、地主からの
借金が膨らみ、ただ借金返済のために働く者もいた。

これが、「3大地主」の奴隷的支配の構図。

僕は、「3大地主」の筆頭に当たる ピピの女王、
泣く子も黙るウィチュダー(Wichuda)嬢 とのビジネス交渉
のため、ピピ・ホテルの彼女の応接室、ウィチュダーの間
に向かったのだが・・・

「サムイ村の話」、これからタイでの起業の話、バー経営
の話、バンガロー経営の話などを綴っていきます。