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タイの草の根-農村の人々(1)

タイのブログ-タイ情報とコラム

さて、バンコクは、すっかり、平穏な街に戻りました。
少し前まで、みんなが赤服、赤服と騒いでいたのが、
嘘のようですね。そして、活気が戻ったバンコクでは、
復興キャンペーンが、大流行り。
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サイアムスクエアでも歩行者天国
(バンコク週報)
週末イベントを数か月続ける・・・やり過ぎの感も。
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テロ火災で保険金支払いへ
(バンコク週報)
中小企業支援で保険会社が「テロによる火災」を、
特例として保険対象にして補償する、とは凄い。
抜け目ないのが財閥系。保険会社は払えるか?

総選挙、総選挙と、あたかも民主的デモを装っていた
赤服集団は、解散・総選挙の具体的な期日の提案を、
アピシット首相から勝ち取るまで進んだデモ交渉放棄。
デモからテロと化した赤服騒動は嵐のように過ぎ去り、
彼らの得たものは・・・またも 無。
タクシン派幹部、6月中の活動再開に否定的
(newsclip.be)
赤服騒動の年内の再開は無いと、僕はみている。

そして、バンコクに、平和が戻った。
でも、赤服騒動の根本は、何も解決していない。

昨年、今年と起こった赤服騒動。
タイの年中行事の1つになるのでは、と危惧します。

そして、赤服騒動を理解するには、
赤服の根、タイの草の根の農村
を知る必要がある。
そういう次第で、草の根の農村にスポットを当てて、
今日から数回に分けて、ブログに書いてみましょう。
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タイの草の根の農村とは、イサーン(東北)の農家。
イサーン農家の1年は、5月に始まる。
タイ中部の肥沃な土地の農家は二期作ができるが、
イサーンの涸れた土地の農家の稲作は、年に1度。
5月の仏誕節の頃に田植えをして、10月のオーク・
パンサーの頃に稲刈り・収穫するのが基本。
(今年は雨不足で、田植えができたか心配なところ)
イサーン農家の多くは、
5月~10月の年に5か月間、稲作をして働く。
11月が米の出荷。
12月から5月半ばまでの乾季は、おおむね休業。
休業期間中は、昼間から酒を飲み、庭先でくつろぐ。
食べられさえしたら、村人みんな、ボーッとしている。

出稼ぎは1月から4月のソンクラーンまでの3か月間
と言われているが、
出稼ぎは危険なので、家族に反対される。
出稼ぎ先の大半は、建設現場などの作業員だろうが、
バンコクの建設現場などを見ると、危険、と頷ける。
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イサーンの農村は過疎化が進み、若者が居ない。
仕事を求めて、都市部で暮らしている息子・娘が、
「危険だから出稼ぎするな」と言い、仕送りしている。
日本と比べると、仕送りの方向が逆である。

イサーン農家の人々は、百姓は儲からないと言う。
でも、彼らののんびりした生活と笑顔を見ていると、
1年に5か月だけ働く、質素だけど幸せな生活だな、
と思えてくる。
「なぜ、都会に出て働かないの?」 と尋ねると、
「百姓しか知らないし、都会に出るのが怖い」 という。
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イサーン農家の50代以上のおばちゃんの半数は、
イサーン語を話し、タイ語の読み書きができない。
都会に出ても、ミャンマー人程度の仕事しかない
だろうし、生まれ育った田舎で暮らしたいのだ。

タイ北部とこのイサーン(東北部)を合わせると、
タイの人口の過半数になる。

(日本と違い戸籍が住民票を兼ねるからだろうが)

イサーン地方のおばちゃんたちを救わずにして、
タイの国の発展は、有り得ない、
と思う。

まず、タイに必要なのは社会保障制度。
タイには、日本のような公的年金制度がないので、
まず、若者たちが納める税金から、
農村の高齢者に、生活費を支給する。

(日本でいう、生活保護を彼らに与えるべきだ)

イサーンの農村の人々の生活不安を取り除くこと、
これが急務、だと思う。
来年の出稼ぎ時期に、彼らがバンコクに呼ばれて、
反政府デモに参加しないように・・・ (続く)
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