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タイの金利-金持ちが太るタイの金利システムから思うこと

タイのブログ-タイ情報とコラム

今日は、タイの金利の話。

タイでお金を預けた場合の金利、

庶民が預けた預金の利息は—-

タイ銀行系の定期預金、年利1%台

ファンド系の定期預金、年利2.5%

ほんの数年前まで、タイの銀行の定期
預金の年利が5% あったことを思うと、
現在は低く押さえられている。

次に、裕福層が預ける預金の利息は、
市ごとの住民向金融機関で、年利5%。

サムイ島の場合、100万バーツ単位で、
サムイ島市民ならば、1年預金ができる。

この金融機関は市の支援を受けている、
とオフィスの行員に説明されたが、多分、
「市政の有力者の支援で運営」 だろう。

また、この金融機関はサムイ島市民に
限って(サムイ島に家を持ち、タビヤン・
バーンを持ってる者に限って)融資する。

融資の限度額は、70万バーツ。

貸付金利は、月利5%。

要は、月単位の貸付制度である。

庶民が借りたお金の利息は—-

サムイ島だけでなく、タイの田舎では、

月単位の貸付制度、月利5%、

が定着しているようだ。

また、金貸しは金融機関が行うものでは
なく、田舎では 金があれば、誰でもする。

親戚縁者に1万バーツを数日間貸しても、
500バーツの利子を取ることが常識だ。
(オフィスで金貸しするサムイ島はモダン)

例えば、1万バーツ借りて、元金を返せず、
毎月利子だけ払い続けたら、1年で払った
利子は6000バーツ。年利60%になる。
しかも、元金の返済がそのまま残る。

それでも、タイの田舎の貧しい農民たちは、
月単位の貸付制度、月利5%で借りる。

タイの政治家は、クレジットカードの金利を
年利20%以下と定めている
と胸を張るが、
固定収入が無い田舎農家では、クレジット
カードがつくれない。

銀行から融資(年利20%以下)を受けよう
としても、担保がつくりにくい状況だ。

タイの土地は、チャノートまで成熟した宅地
以外は、個人の完全所有とは言えない。
だから、身内での土地売買はできるけれど、
(いざとなれば王様に帰属する土地なので)
銀行担保にはなりにくい。

また、仮に、土地が担保と認められた場合
でも、返済期限までに借金を完済しないと、
僅かな借金で、銀行に土地を没収される。
(銀行が融資する場合は、土地の権利書に
裏書する)→タイの銀行は、最強だ。

バンコク銀行の没収地オークションは有名。

結局、タイの田舎の庶民層は、銀行から、
合法な金利で、お金が借りられないのだ。

(だから、タクシン・マネーが珍重される)

タイの田舎の金持ちは、月利5%で貸し、
タイの貧乏人は、月利5%で借りる。

金持ちは、ギリギリまで、貧乏人から搾取。
金持ちがさらに太る、タイの金利システム。

タイの東北地方で、行政が農民の借金調査
を、最近、行ったそうだ。
調査結果として、ここ数年で、返済の目途が
立たぬほど、借金に借金を重ねている者が
増えているという話。

ギリギリの匙加減を、間違ったのだろうか。

タイの金持ちと貧乏人の構図は、変革なしで
治まらないところまで来てるのかもしれない。