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バンコクで、6年ぶりの再会(1)

タイのブログ-タイ情報とコラム

8月下旬の夏休みに、サムイ島を離れて
バンコク滞在したのは、旧友とバンコクで
6年ぶりに再会するためだった。

旧友のジョー(Joel)とは2000年以来の
つき合い。
彼について、今日は書いてみようと思う。

ジョーと初めて会ったのは2000年の末。
スクンビットのアソーク交差点の近くから
ソイ・カウボーイズに抜ける(その当時は
あった)情緒溢れる、バー横丁だった。

当時、僕はソイ18に居たので、暇な夜は
このバー横丁で飲んでいた。

ジョーは横丁を歩いていた僕を呼び止め、
「ビールを一緒に飲まないか?」と尋ねて、
ビア・シンを差し出した。

これが、ジョーとの出会いである。

ジョーはそこで、カウンター・バーの経営を
していたのだが、
初めて会った日に、ビールを何本か奢って
貰ったので、横丁を通る度に彼のバーで、
僕はビールを買うようになった。

当時、カウボーイズが深夜2時に閉まると、
大勢の客がこのバー横丁に流れて来てた
から、バー商売は、結構繁盛してたらしい。

その頃の僕は、英会話の習得に熱中して
いたので、英国人と話すことは楽しみ。

だが・・・

日本では、アメリカ人やカナダ人とばかり
話していたので、
英国人が多いバンコクで英語で暮らして、
「英国人の英語は、聞き取りにくい」
(BBCニュースのような明確な発音は稀)
という、コンプレックスを感じていた。

ジョーは、英国人、イギリス英語について、
いろいろと、僕に教えてくれた。

例えば、fu●k your mam は、英国では
親友同士の親しみを込めた挨拶にもなる、
(英国人は米国人ほど形に嵌ってない
とか・・・

僕とジョーとは、元々、ウマが合った。
彼はいちいち語尾に「ファ●ク」を付ける、
20代の若者だったが、同時にインテリ
でもあったので、話が楽しかった。
彼はアジア、とくに日本人に興味がある
らしく、日本の習慣を、よく僕に尋ねた。

彼によると、
「日本人の外見は、実年齢マイナス10」
僕を年上とは感じてないようだった。

ジョーの前身は、ジャズ・ミュージシャン。
アルバムを出し、ライブ活動をしてたのが
どういう訳か、バンコクに嵌った。

英国社会は尻下がり、バンコクは尻上がり
という、社会の雰囲気も関係あったと思う。
僕と同じ、感受性の強い人種であったから。

ジョーの転機は、2002年に訪れる。
2001年タクシン政権の発足後、少しずつ、
バー商売への締め付けが厳しくなり、バン
コクで終夜営業が出来なくなりつつあった。

六本木が1982年?風営法改正で、12時
以降のディスコ(クラブ)が闇営業に変わっ
たころと似た状況だったと思う。

ジョーは、バーの権利を売却した。
その後の金欠生活では、バー時代の彼女
と別れたり、着いたりしていた。

細々とギターの家庭教師をしてたジョーに、
「幸運にもネイティブスピーカーなんだから、
英語教えて、週末にライブで稼げばいい」

と、忠告したことがある。

その時は、「お前、簡単そうに言うなよ」 と
いう顔をしてたが、堅気の彼女が出来ると
タイ大手の英語スクールに就職して、英語
教材をタクシン政権に売って、全国の学校
に供給して、会社の共同経営者の地位に
まで登った。

高給と株配当で、バンコク都心に家を買い、
土曜はシ-ロムやスクンビットでライブ。
毎週日曜にはサンデーディナーを開いて、
パーティーにはいつも10数人が集まった。

僕とジョーとは3日と開けずに会う仲だった
ので、彼の生活をいつも身近に見ていた。
当時の彼は、ギャツビーのようにも映った。
彼が覚えているかは知れないが、
僕の忠告を聴いた、と彼を誇らしく思った。

彼の仕事の成功の副産物として、2人の娘
が生まれた。

とは言っても、彼の長女が生まれたあとに、
僕は起業でサムイ島に越したので、彼とは
1年以上疎遠になっていた2005年の7月、
「英国に引っ越す」、と突然の連絡があった。

彼が引っ越す理由は、娘たちの教育にあり、
英国の両親の将来への助言があったらしい。

彼の説明によると、英国政府が大学の音楽
教師の育成プログラムに人材を募っていて、
両親が代わりに応募し、履歴書選考に合格。
無料で1年間大学院に通えば、音楽講師と
しての大学への就職が保証されてるらしい。

それでも、娘たちのために、バンコクの華麗
な生活を捨て、再出発する彼は、偉い男だ。

僕とサイは、バンコクへ、彼ら家族に会いに
行き、彼らの英国での幸運を祈った。
thaiblog
thaiblog当時、長女のリリーは2歳。
いとしのリリー

そして今年、
ジョー家族がこの夏、バンコクに来るので、
僕はバンコクに行き、滞在することにした。

実に6年ぶり。
その間に、電話もメールも、お互いに無し。
(形式だけのつき合いは望んでいないから)

ジョーは、昔のままだろうか?
お互いに、どれだけ深く友達と思ってるか?

期待と不安が重なる、妙な感触を抱いて、
僕は、バンコクへ向った。

次回も、バンコク滞在の話の続き。