タイの最低賃金大幅アップの実態
4月に、タイの最低賃金が大幅アップ。
各企業はどのように対処してるのか?
興味があるところです。
最低賃金大幅アップの実態の一例。
パタヤの比較的大きなホテルの経理をしてる
タイ人と、賃金アップについて雑談をした。
彼の話によると、
まず「タイの最低賃金大幅アップ」の施行後、
ホテルの給料の支払い総額を増やさないこと
という、オーナーからの指令があったそうだ。
このホテルオーナーの考え方は、ホテル料金
やレストランのメニューの料金を上げて、
賃金アップ分を補填するようなことはしない。
=自分の墓穴は掘らない
このホテルオーナーがどうしたかというと、
従業員に対して、最低賃金以下の者の賃金を
法律施行通りにアップするが、実際の支給額
を抑えるというもの。
そんなオーナーの指令を受けて、
ホテル幹部がどのように対処したかというと、
まず、従業員の60%以上にあたる低賃金層
の裏方スタッフの給料を2千バーツ引き上げ、
8千数百バーツ(最低賃金)にした。
一方で、今まで無料だった社員の食事を有料
にして、給料から差し引いた。
さらに、給料の計算法を変えた。
今までは、日給×30日=6千数百バーツ、
変更して、8千数百バーツ×25/30、
僕の理解が乏しく・・・???
(休日分の日給を差し引くようにした?)
結果として、平均500バーツ程度の手取り
が、低賃金だった社員は、増えたそうだ。
とばっちりを受けたのが、フロント業務社員。
もともと、施行された最低賃金以上の初任給
があるフロント社員は、賃金アップが無い。
それなのにフロント社員のうまみとなってる
サービスチャージの分配が、最低賃金アップ
に対処するために、撤廃された。
それで、1000~2000バーツの手取り
が減ることになったそうだ。
さらに、勤続5か月以内の見習社員はパート
タイム扱いに降格。社員数に入らなくなった。
(若干の社員が辞めることを見込んでいる)
一見、経営者側の横暴とも思える対処法が、
なぜ、まかり通るのか・・・
なぜなら、パタヤのホテル業界は来月から
10月末まで、雨季のローシーズン。
給料の高いフロント社員を減らしたいのだ。
(ハイシーズン前に、また集めればよい)
経理担当の彼、曰く、
勤続年数の長い社員は、簡単に去らない。
フロント社員は毎年500~700バーツの
昇給がある。勤続10年なら、昇給額だけで、
5000~7000バーツが既にある現実で、
今以上の給料を求めて移るのは難しい。
これが、華僑系企業の経営術。
人が減っても残業がつかないそうなので、
フロント社員のサービス残業が増えるの?
と、勝手に、想像してしまいました。
タイ社会、
「人を減らして、人件費を節約か」
社会に余裕が無くなるのが、
先進国への道?
おっとりが魅力のタイの社会も、
タクシン派政策で、慌しくなり、
世知辛い世の中になるのでしょうか?
時の流れとはいえ、淋しい気がします。