タイの政情不安に思う(1)
つくづく感じることは、
タイは、慢性的な政情不安の国である。
心底そう感じているが、僕は政治音痴。
「タイの政情」を解き明かす能力は無い。
今日は、政治音痴の僕がタイに十数年
住んで感じてきたことを、書きましょう。
タイ人との交流で得た感覚と知識です。
タイ人の子どもレベルの政治観ですね
タイの政情の捉え方は、
タイ人の捉え方と、外国向けメディアの
報道では、いつもかけ離れているので、
「日本の新聞社の報道」などを読んだら
まるで、おとぎ話のように感じてしまう
だから、日本人は理解し難いのでしょう。
■2001年~2006年の、タクシン政権
タイは高度成長が始まり、サムイ島では
バブル。地価が2年毎に倍になりました。
外国人が容易に別荘を買えるようになり、
タクシンは国土を売っている。
南部の支配階級の反感が強まりました。
タクシン政権=タクシン株式会社
高度成長の原動力となっている企業は、
ほとんどがタクシン一族の所有なので、
タクシンは、政治で稼ぐ一族
これが、プミポン国王の教え、
徳を積み、質素に、清く生きること
とかけ離れていたので、国王を敬愛する
国民に反感を買いました。
政治を利用して、自由に儲けることが、
自由主義、民主主義ではない。
そう、タイの人々は感じていたようです。
政権が長く続くに従い、タクシンは首相
の権力では飽き足らず、大統領になる
ことを模索していた・・・
それが国王を蔑ろにするように映って、
多くの人々から反感を買いました。
corruption(収賄)がカタカナタイ語に、
タイ人が日常的に使うようになったのは、
タクシン政権の頃からだと思います。
タクシン政権=corruption
■タクシン政権の崩壊
2006年、タクシン一族が会社売却で
733億バーツを儲けたのに、ほとんど
無税だったことで反タクシンに追風が。
下院解散(2月)
↓
タクシン退陣を求めるデモが活発化
↓
総選挙(ボイコットで不成立)
↓
タクシンが退陣表明
暫定首相に就いて、再び反感を買う
↓
クーデターで、タクシン政権崩壊(9月)
インラック首相の下院解散に始まって、
デモが活発化している現在の状況と、
過程が似ているように思えます。
「歴史は繰り返す」と言われるけれど、
反タクシン派の構想は、過去に習い、
歴史を繰り返そうとしているかの様に
映りますね。
インラック政権も、相当に儲けたから、
そろそろ潮時かもしれません。
(続く)