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タイは国王崩御で何が変わるのか?

タイのブログ-タイ情報とコラム

thaiblog
The King passed away on 13th October.
I realized as is the King, so are the People.
I think truly we still have to go on it.
It’s our mission we create our life to follow
the King’s example.

タイは国王崩御で何が変わるのか?

タイのプミポン国王が崩御されて、9日目です。

プミポン国王の崩御と同時に知らされたのは、
(1)全ての公的な場所、国営企業、政府機関
及び教育機関は、30日間半旗を掲揚する。
(2)全ての公務員、国営企業従業員、政府機
関職員は、1年間喪に服す。
(3)一般国民は適切な行動を、考えて行うこと。

僕はタイ国民ではないが、タイに住んでるので、
「喪に服している人々を気遣い、適切な行動」
ということになりますね。

それで、街がどう変わったのかというと・・
旅行者はいつも通り、ホテルも通常営業です。
お店やレストラン、バーなども営業しています。
人々はいつも通りに働いて変わらぬ生活です。

「自粛」ということで、お役所から適切な行動
の指針が、住民にいろいろ伝えられています。
皆さん、当然の事と考えて、自粛してますね。
今こそ、結束するのが大事と思ってる様です。

「服装は、白や黒、地味な色が望ましい」
ホテルの制服は、白いものが増えました。
または黒いリボン、喪章を付けます。
街を歩く人の8割がたは白や黒のTシャツを
着ていますが、ロゴや絵柄は気にしません。
旅行者は白や黒とは限らずに、派手な色を
避けた服装をしています。
サムイ島は上半身裸で街を歩く欧州人男児
(旅行者)が普段多いが、今は見掛けません。

サイに、白や黒をいつまで着るのか尋ねたら、
皆、喪中の気持ちで、自主的に着ているから、
喪の長さは、人それぞれではないか・・

と言っていました。

「大きな音を出したり、騒ぐことは自粛する」
「結婚式などのお祝い事は延期する」
花火は禁止されています。
ビーチパーティーが中止されています。
パンガン島のフルムーンパーティーも中止。
レストランやパブでのライブステージも自粛。
ローカル・バーの音楽は、低い音量(自粛)。
大きな音、パーティーは30日間の自粛です。

さて、プミポン国王が崩御されて9日が経ち、
心にぽっかり穴があき茫然自失の状態から、
人々は、少し落ち着きを取り戻したようです。

それで、タイは、何が変わるのか?

政治
タイは、タクシン政権以来、政情が不安で、
赤服と黄服の闘争が繰り返されています。
その国難を救って来られたのが、赤服にも、
黄服にも敬愛されてきたプミポン国王です。

これから1年は敬愛する国王の喪ですから、
タイの人々は騒ぎを嫌って闘争は無くても、
将来の政治闘争の歯止めは軍部だけです。

タイの軍部はタイの庶民に尊敬されていて、
人気があります。現在のように、軍主導の
政治を行っていれば、安心できるのですが、
政党政治に戻ったら、プミポン国王亡き後、
軍部が権力と人気を維持していけるのか、
政治闘争の歯止めは軍だけが頼りですね。
政党が我侭な利権争いを続けられるほど
の余裕が、今のタイには残ってない筈です。

経済
タイは経済的には庶民の購買力が上がり、
一般市民の生活水準がうなぎのぼりです。
プミポン・ショックがあっても、長期的には、
日米と比べると、経済上昇の余地がある
と思えます。

心の問題
国王崩御で、いちばん恐れていることが、
心の問題。これが社会を変えて行きます。

タイの人々にとってプミポン国王はお手本、
偉大なる父として、尊敬されてきました。
鉛筆1本でも短くて使えなくなるまで使う、
物を、資源を大事にした国王が提唱した、
「足るを知る経済」に憧れる人が多かった。

タイの70年間の家族国家の幕が閉じて、
人々は次第に王室から遠ざかるでしょう。
そして、家族国家の意識が薄れると・・
タイ人の労わり合う心、弱者を救う心が、
20年は掛かる長期的な心の変化ですが
今の子が大人になる頃には無くなるかと。
タイの20年後は、
貧乏人は、笑って暮らせない時代になる。

週末、サイが僕に言った言葉が象徴的

王様が亡くなったら、これからのタイは、
楽しい楽しいだけじゃ暮らせなくなるわよ。
日本みたいなシビアな社会になるかもね。

日本で暮らしたことが無いのに、
なぜか、よくわかっていらっしゃる

今までは、日本の社会の生活に疲れて、
タイに来て、ホッとしたという人が多いが、
これからはタイも忙しい社会になる筈だ。

将来を予測すると・・
「足るを知る経済」と反対に歩み始めて、
庶民にも所得税、相続税、固定資産税、
それで年金もできたら、働いては収める、
働いても働いてもお金が必要な国になる。
質素が美徳から、消費国家に変わります。

すると、他人の事をかまう余裕が無くなり、
他人に無関心にならざるをえないでしょう。
タイ人の素晴らしさが失われていくのです。

義理と人情に頼るだけでは食べていけない、
世知辛い世の中になるかも知れませんよ。